森羅万象の旅日記 

月不見の池

能生町を後に糸魚川に向かう。今日も上天気だ、真っ青な日本海に水平線がくっきり円弧を描く。途中、昨日のわびしい旅籠の前を通過する。やっているのかいないのかよくわからないような外観が、周りの風景とよくマッチしていておかしいぐらいである。

糸魚川はこぎれいな風情のある街である。実は糸魚川に来るのに大きな楽しみがあった。それは酒を買うことである。名前を奴奈姫(ぬなひめ)といって、以前東京で飲んでまた是非手に入れたいと思っていた酒である。

酒屋さんで聞いてみると、奴奈姫以外にも銘酒があるとのこと、その中で私は特には名前が気に入ったのがあった。月不見(つきみず)の池、何とも素名前ではないか。

奴奈姫とはこの地方に伝わる伝説上の姫らしい。それと月不見の池の、双方とも名前のおもむき深い二本の酒を買った。ここで日本酒について一言いいたい事がある。

一時幻の酒とかいうのがブームになり、越の何とかいうのが一升一万円以上したこともあり、笑わす事にその空き瓶までプレミアがつく始末である。話が飛ぶがボジョレーヌーボーを誰が一番早く飲むか、ということも話題になった。

成田空港に行けば、世界で一番早く手に入れる事ができると言われ、私の周りでも何人も成田詣でに行ったものである。やんぬるかな、バブルがはじけたのはそのすぐ後であった。そしてその後遺症でいまだに苦しんでいる。

実は私は「愚意飲み会」というのに入っており、これはもう四半世紀以上続いている会で、毎月一回美味しい日本酒を飲み歩くという、のんべいにとってはこの上ない楽しい集まりである。

会員は千差万別で、教授や医者、公務員、記者、風水師(これは私)、そうそう七十歳以上の元気なおばあちゃんもいたな、私などまだ新参者である。中には利き酒コンテストで東京代表として出場し利き酒名人になった人もいる。

そして皆言うのは、日本酒は一升まあ、二千五百円どまりかなということで一致している。最近は吟醸酒がやたらと多いがあれは量が飲めない、やはり日本酒の基本は純米酒である。うまい純米酒が飲みたーい。

風水ワンポイントアドバイス

宇宙エネルギー T 

少し前テレビで(らせん)というドラマがはやりました。
螺旋(らせん)というのは渦巻き状態のことをいいますね、またビッグコミックスピリッツの人気連載漫画の題名はずばり(うずまき)です。

キリンビバレッジからメタボという清涼飲料水が発売されましたが、このCMにもコンピューター・グラフィックを使った水の渦巻きが使われております。

他にも日本コカ・コーラが発売したウーロン茶のパッケージにも渦巻き模様が描かれています。製作者の意図は生命力や宇宙といったものを感じさせたい、というようなのですが、風水で渦巻きは昔から使われておりまして、これは宇宙エネルギーを吸収する形なのです。


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