森羅万象の旅日記 



包丁一本

松本を後に、しばらくは梓川に平行に北に下り、やがて右折して今度は犀川に沿って北東に進む。犀川は深い木々の間をゆったりと、そして時には白波を立て蛇行しながら進んでいる。

風水では、川はゆったりと蛇行しながら進む川が、最も良い気を運ぶ川であるとしている。一直線の川は衝射といって鉄砲水などが起こりやすく、風水では凶相の川となってしまう。

途中の農産物直売所で、新鮮なキュウリとナスを買ってぬかみそに漬けようと思う。幸いきれいな洗面所があったのでそこで洗ったのだが、包丁が必要になり車まで取りに行ってきた。

キャンプ用などと洒落たのは持ってないので、家庭用の洋包丁である。しかし、後でよく考えてみると、包丁を持って洗面所にかけ込む姿は、ちょっとヤバイのではなかったろうか。

信州新町で幹線に別れを告げ横道に入る。この道は細く案内板も無い山道だが小川の庄に向かっているようである。ちなみに私は人間ナビと言われるくらい方向感覚がいいのである。

しかし太陽がお隠れになってしまうとこの能力が目に見えて衰えてしまうのである。これは単に、影だけの問題ではなさそうである。何だか太陽から来るエネルギーの強弱によって方向を確かめているような気がする。

みなさん、小川の庄に来たらぜひ蕎麦を食べてください。
小川の庄のおばちゃん達が打つ蕎麦が信州で一番うまいそうです。(私はまだ食べていないのですが) それと、おやき、です。これは食べました。いやーうまかった。

それと此処は星の里としても有名なところです。
それだけ空気が澄んでいるのでしょう。天体には非常に興味があるのですが、我々が星を見るということは過去を見ている事なのですよね。     つづく

鬼博の余談

浜辺で彼女と二人で波間に沈む夕日を眺めていて、あっー とうとう沈んでしまったね、などと言いながら夕映えに染まる 彼女の横顔なんぞをながめている姿はロマンッチクで絵にも なるが、「あーあれはね、本当はもう八分十九秒前に沈んぢゃ ってるんだよ、ハハハハ、」などと言うからもてないんだよな、 俺はきっと。

ちなみに光は土星からは七十九分、北極星からは四百年か かります。と言う事は、関が原の合戦があったときに北極星を 発した光がいま地球にとどいたことになります。

月まで一秒強でとどく早さの光がですよ。ですからひょっとす ると北極星は四百年の間に消滅してしまっているかもしれま せん。そして私の好きなメーテルがいるかもしれないアンドロ メダまではなんと二百三十万年かかりまんねん。

しかも宇宙は今も、ものすごい勢いで膨張しているのです。 実はこれはまだ誰にもしゃべったことはないのですが、ここだ けの話と言う事でお話いたしましょう。

宇宙は本当は人間の体そのものなのです。宇宙が膨張して いるというのは、子供が大人になるように、人間が成長してい ることなのです。そしてブラックホールというのは、あれはがん 細胞のことなのです。

超新星爆発がたまに起こったりしますが、あれは人間が病気 をしたときに起こる細胞組織の異変現象なのです。孫悟空が これ見よとばかり筋斗雲(きんとうん)に乗って宇宙の果てま で来たと思って、そこにサインをして帰ったらそれはお釈迦様 の手だったという話がありますね。

これなんかも宇宙イコール人体説を物語っていませんか。
しかしこれはあまりにも高等な変対性理論なので絶対ほかの 人にはしゃべらないでください。



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